2015年9月10日木曜日

ヴェルヌさんが書きたかった、幻の作品。

19世紀、1828年フランスのナントで生まれたジュールヴェルヌの小説の全ては、当時のピエール・ジュール・エッツェルというパリ在住の凄腕編集者を通して発行されていました。1863年、35歳の時に書いたデビュー作「気球に乗って5週間」が大ヒットし、ヴェルヌとエッツェルのコンビは次々と冒険譚やSF小説を世に出し、後に、H・Gウエルズと共にSFの父と呼ばれるようになりました。

こちらの本はエッツェル版の大きな豪華本「80日間世界一周」。19世紀には文庫本などは無かった(笑)。


エッツェル氏は編集者兼発行人で、小説家でもありました。ヴェルヌには大人にも子供にも受ける冒険譚を書かせる事に注力し、ヴェルヌの書いた原作原稿に対し、強く指導し、書き直させ、ダメ出しをし。冒険譚64冊、SF小説31冊、戯曲20冊の作品を世に生み出させました。

こちらの本は、1958年(昭和33年)創元社刊、世界大ロマン全集の「月世界旅行」。


1905年3月24日にジュールヴェルヌは亡くなりましたが、実はデビュー当時、彼が本当に書きたかった作品の一つが、エッツェル氏によって没原稿とされていました。

「気球に乗って5週間」の次作として書いたその原稿は1991年のある日、曾曾孫ジャン・ミッシェル・ヴェルヌによって発見されました。1863年から実に128年もの間、眠っていたのです。これが100年後の未来、1960年のパリを舞台にした「20世紀のパリ」という作品です。

上が1995年刊の日本語訳、下が1996年刊の英語訳。

これから読みます。




2015年の今、1991年に発見され1995,6年に刊行された1863年に著された1960年の未来小説を読む。過去に戻ったり未来に往ったり。昔の作家の今よりも昔を未来予想した小説には、タイムトラベラーが過去を旅するようなダイナミズムが感じられます。